「もう美容部員を辞めたい……」
なんて毎日メイクをしながらため息をついていませんか?
美容部員になりたての頃はあんなにウキウキしながら通勤していたのに、こんなんじゃダメだと自分を責めている方もいるかもしれませんね。
美容部員を辞めたいと感じるのは、悪いことではありません。
でも、本当に辞めてしまう前に、少し自分の気持ちと現状を振り返ってみてはいかがでしょうか。
そこでこの記事では、新人美容部員さんの「なぜ辞めたいのか」「本当に辞めるべきなのか」に寄り添い、解決策を一緒に考えていきたいと思います。
美容部員を辞めたい理由あれこれ、解決策あれこれ

まだ新人なのに、なぜ美容部員を辞めたいと感じているのか、率直に自分の気持ちを棚卸ししてみましょう。
仕事をなかなか覚えられない

どんな瞬間に美容部員を辞めたいと感じましたか?

私は仕事を覚えるのが遅くて、売上も全然取れなくて……。
なんだか足手まといのようで……。

すごくよくわかります。先輩がなんなくこなしていることをすごく時間を取ってやっていると、申し訳なくなりますよね。

そうなんです!
時給ドロボーって言われそうで、ずっと萎縮してしまって……。努力はしているんですが、ミスばかりで。自分には向いていないのかな……って……。
お客さまの相談にのり、おすすめの商品を紹介したり、タッチアップのサービスをしたりする。美容部員の仕事ってこんなイメージでは?
しかし、スムーズに接客するためには、商品知識はもちろんのこと、売り場のどこに何があるか、在庫はどこにあるか、どれをどんな風に使えばいいか、横から別のお客さまが話しかけてきたらどうすべきかを把握しておかなければいけません。
入社してしばらくはまごまごしますよね。絶対します。
先輩にため息をつかれることがあるかも、しれません。
「人より覚えが遅いかも」と思うと焦りますが、通常1年まではどんな仕事でも新人です。先輩が面倒を見るのが当たり前。職種によっては3年までは新人、といわれることもあるんですから、どうどうとまごまごしてミスして勉強しましょう。

なんだかんだ素直が一番なのかな、と思うんですよね。
・メモを取る
・メモを振り返る時間を持つ
・わからないところは恐れず聞く
・ミスはきちんと報告する

そして落ち着いて。とにかく落ち着いて。失敗しても大丈夫だから。
怖くて無理!聞けない! となってくると、ちょっと大変なのですが、基本的には素直に学ぶ姿勢でいれば、先輩もないがしろにはしないでしょう。

でももう、明らかに嫌な顔されてて……。八つ当たりみたいなことも……。

うーん……。
先輩も人間! 疲れているときもある!
もしくは、そういう性格……?
後者だと、ちょっと根性が試されそう。明らかにこれは八つ当たりされている、もはやいじめと感じるなら、営業などさらに上司に相談してみましょう。
どうしても改善しないなら、それはさすがに辞めることを考えても問題ないと感じます。自分を追い詰めてまでやらなければならない仕事なんて、きっとないので。
想像していたのと違った

想像していたのと違うとは、どんなところが違ったのでしょう?

美容部員って、お客さまとお話しして、お化粧品紹介して、メイクとかする仕事だと思ってたんです。

だいたいそんな感じですね。

入社したら、前年比が! 在庫が!とか、数字が苦手すぎて……。

なるほど……。
これは入社したての新人さんで躓く方って多いのでは?
美容部員ってお客さまに接する仕事だけではなく、カルテの入力、売上の入力、在庫管理、在庫の品だし、棚替え、DM作成、顧客管理などなど、細々した作業がたくさんあるんですよね。
パソコンに入力すれば済むとはいえ、「入力の仕方がなかなか覚えられない」「入力ミスしちゃった!けど先輩が忙しそうで質問できない」なんてこともあるかもしれません。
専門店など小さなお店なら、手書き台帳にも記入してるなんてところがあるかもしれませんね。そうなると、月末月初はただただ計算祭。
私も入社当初言われました。「月報の集計で辞める人がいる」と。

それはおおげさでしょ……
ところがそうでもなく。苦手な人にとっては苦手なんですよね。化粧品が好きで入社したのに、ずっと電卓たたいて、「前年に〇〇%で、在庫があーだからこーで……」みたいなことを言われてると、

ナチュラルに白目だわ……
なんて、私も思ったものです。
ただ、美容部員は販売業なので、実はそこが面白いところ。
目の前のお客さまの悩み解決は一番大事なことですが、小さなお店を一つ経営しているような感覚でいられるのってすごいことだと思いませんか? 目標を達成するためにどんなことをしようか、と考える楽しみ。これも美容部員の仕事の醍醐味だと思うのです。
なので、これはそんなに焦らなくて大丈夫な問題なのかな、と。美容部員ってサービス業のようで、しっかり販売業なので、お給料のためには売上・数字がどうしたって大切です。
なんとなく……では、お店も自分の成長しませんからね。
こういったことこそ先輩に教わって、仲を深める材料にしましょう。
売上(ノルマ)を達成できない

はい。きました。これは絶対辞めたい理由になる方、多いはず!

一生懸命やってるんですが、思うように売れなくて。

同じように接客しても、必ず購入につながるわけではないですもんね。

そうなんです!
それに売上売上、ノルマノルマっていわれていると、なんだかモヤモヤした気持ちに……。

お客さまのことを考えて販売しているのかよくわからなくなる……ってやつですね。

まさに! 自分が嫌な人間になった気がして……。
この悩みは新人さんや、美容部員という職種に限らず、多くの接客や販売にかかわる方が抱えている悩みに感じます。
「お客さまのために」を優先しすぎると本来の「販売業」がおろそかになり、かといってノルマのために「売らなきゃ」と追い詰められていると、もしかしたら必要のないものを進めているかも……なんて恐ろしい考えに行き着きます。
これがジレンマに。
先ほどもちょっとお話しましたが、美容部員って化粧品販売会社の社員なんですよね。
商品を買ってもらわないと、お給料につながりません。

お客さまのお肌の悩みを聞いて、解決策を考えてあげて、メイクもキレイにしてあげて「ありがとう」なんて言われたら、ものすごくうれしいですよね。
でも、お仕事なのでここで終わるわけにはいかない。
サービス精神旺盛な方であればあるほど、モヤモヤすることがあるかもしれませんが、ある程度のノルマや売上目標は必要。そして達成が求められます。
美容部員に限らず、何かを提供してお金をいただくのが「仕事」なので、割り切るしかない感は否めません。
ただし、以下の場合は美容部員を辞めたいと思っても当然だと思います。
- どう考えても達成できないノルマを課せられている
- 相談してもノルマを下げてもらえない(交渉もできない)
- 売れないなら買って帰らないと……(見えない圧が怖い)
なかでも「自分で買って帰る」は、それがもし指示ならば労働基準法のさまざまな条項に抵触する可能性があります。指示でなくてもそういう空気だったというのもかなり問題。辞めたいと感じるなら早めに決断するほうがいいかもしれません。
※参考:e-Gov法令検索「労働基準法」
土日に休めない

お店で働く仕事って、どうしても土日休めないですよね。

そうなんです。ときどきは休めるとは聞いていたんですが、結局難しくて……。
大きな店舗で、売上もあって、たくさんの美容部員が配置されているところなら、交代で土日に休みが取れるかもしれません。
とはいえお客さまが来るのはやはり土日がメイン。賑わうお店こそ、たくさん美容部員が配置されていてもなかなか土日に休みが取れないこともあるでしょう。

新人さんだと言いづらいこともあるよね。
一方、「そもそも配置されている美容部員が少ない」「ワンオペ店舗」となると、土日は基本出勤に。
「全然土日休めないじゃん!」なんて小言が日課になりそうです。

対策はやっぱり、まず相談かな。
・月に何回かは土日休みのシフトにしてもらえないか相談する
・店舗の移動できないか相談してみる
・相談しやすい良好な関係を気づいておく
だめもとでも、声を上げないと働く環境は改善しません。
とはいえ上司や先輩、同僚との関係がぎくしゃくしていると、相談もしにくくなるでしょう。普段から良い関係を築いておくことも大切。
そのうえで、
- どうしても土日にリフレッシュできる休みが欲しい
- 家庭の事情で月に○回は土日に休みが取れないと仕事を続けられない
など、明確な理由をつけて相談してみてください。

土日の休みが自分にとって重要なら、販売やサービス業などではない職種に転職するのも方法ですよ。
人間関係で疲れた

職場の人間関係って本当に大事ですよね。

私の場合、先輩に気を配るのが下手で。「お先にどうぞ」とか「持ちます」とか、さらっと言えないんです。

明らかに気を遣ってる風に伝わると、先輩も気を遣って変な感じになりますよね。

ノリが悪い、気が利かないって言われているみたいなんです。
美容部員の職場って、なんとなく「体育会系」な感じがします。「目標売上を達成するぞー!おー!」みたいな感じの売り場って、実際売上も良かったり。
それに、そういう強いパワーというか、前向きな気持ちって、お客さまにもいい印象に見えることがあるんですよね。「ハキハキしていていいね」とか「ここに来ると元気をもらえる」とか。
体育会系なところがあるから、「先輩を大事にする」「立てる」という面も強いのかも。それにプラスしてどうしても女性の職場ならではの難しさってありますよね。

実際、人間関係で辞めていった美容部員は多いと感じます。これはあくまで体感ですけどね。
なので、性格的にどうしてもなじめないとなるとつらくなってしまう部分もあるのかな、と感じます。
「どうしても美容部員として働きたい」なら、人間関係はなんとかやり過ごすしかありません。執拗ないじめにでもあっていない限り、「人間関係も仕事のうち」と思えば前向きになれるかもしれませんね。
でも、美容部員として働き続けたいわけではなくて、人間関係で心が追い詰められているとなると話は別。
さっと転職して、別の道を探すのも選択肢ですよ。
新人美容部員でも辞めたいなら転職の道がある!自分の気持ちを尊重しよう

新人美容部員が辞めたいと感じる理由には、以下のようなものがありました。
- 仕事が覚えられない
- 想像していたのと違った
- 売上(ノルマ)を達成できない
- 土日に休めない
- 人間関係で疲れた
もう少し頑張れば慣れて乗り越えら得るもの、どうしても適性が合わないもの、ワークライフバランスに影響を及ぼすものなどさまざま。
その中でも人間関係はネックになりがちで、自分の努力だけではどうにもならない場合もあります。
仕事なのである程度の努力は必要。でも自分の心が悲鳴を上げるような場合は、さっと辞めてしまうのも有効な手段です。
総務省統計局労働⼒⼈⼝統計室の統計によると、2023年までの転職希望者数は10期連続過去最多を記録。転職者も6期連続で増加しています。
終身雇用が崩壊したといわれる現代では、転職もポピュラーな手段になりつつあるのかもしれません。
※参考:総務省統計局労働⼒⼈⼝統計室「直近の転職者及び転職等希望者の動向について
美容部員を辞めたいと思ったらやるべきこと

美容部員を辞めたい、もうどうしても続けられないと思ったら、辞めるための準備を始めましょう。
辞めたい理由はポジティブなものに
人間関係にしても、ノルマがキツイにしても、退職の理由にするにはネガティブな印象。そのまま伝えると辞めるときも辞めた後も、角が立ちますよね。
また、ネガティブな理由だと「改善するから」とか「こんな風にすればもっと頑張れるかもしれないよ」などと引き留められてしまうかもしれません。
辞めると決めたなら、ポジティブで突っ込みどことのない理由に変換することが大切。
- まったく別の職種にトライしたい
- 美容関係の他の職種も経験したい
- 資格取得の勉強に専念したい
もちろん、以下のようにきちんとした理由がある場合は、正直に伝えた方がすっきり辞めやすいですよ。
- 家庭の事情で土日が休める仕事でなければ難しくなった
- 家業を手伝わなければならなくなった
- 結婚が決まった
きちんと伝えれば無理に引き留められたりすることなく、スムーズに退職が決まるはずです。

退職の意思を伝えることは、辞めるための最初のハードル。頑張って乗り越えてくださいね。
辞めると決めたら退職日の1カ月前までには上司に伝えて
会社の規定によってまちまちですが、退職希望日の1カ月前までには、上司に退職の意思を伝えておきましょう。業務の引き継ぎだけでなくお客さまへのご挨拶もあるので、1カ月は余裕を持っておきたいところ。
退職は、よほどのことがなければ大きなセールがある時期や決算時期などは割けるのがおすすめです。
「飛ぶ鳥跡を濁さず」。きれいに辞めておくと自分もすっきりするし、上司や先輩、同僚に迷惑をかけずに済みますよ。
辞めるときは感謝の気持ちを伝えて
辞めるときは上司、先輩、同僚、そして売り場の方など、これまで関わってきた方に対して感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
どんな理由にせよ、さまざまな経験をくれた職場です。
うれしいことも嫌なことも、後になればやっぱり大事な経験なんですよね。どこで活かせるときが来るかわかりません。最後は丁寧に感謝を伝えましょう。
新人美容部員が辞めたいと感じても大丈夫!より良いキャリアプランを考えよう
「入社して1年しか立っていないのに、もう美容部員を辞めたいなんて……。」と辞めたい気持ちに対して自分を責める必要はありません。
前向きな行動になるなら、むしろ早く辞めて次の道に進む方がキャリアプランも立てやすくなります。
別のメーカーで美容部員を続けるもよし、美容系の違う職種に転職するもよし、まったくことなる業種に転職する良し。
自分が輝けるより良いキャリアプランを考えてみてくださいね。